受験生にとって、
青本をどのように位置づけるべきでしょうか?

結論から言うと、口述試験に合格しようと思ったら、
一度は、通読しておかなければならない参考書
だと私は思います。


まず、短答試験において、青本を読みこなすことにより、
得点UPが見込めるか、というとNOでしょう。

短答試験は、唯一、条文が貸与されない試験です。
青本を読むくらいなら、条文を少しでも正確に覚えるべきです。
趣旨や解釈の理解は、受験機関のレジュメで十分です。


次に、論文試験。
青本の比重は、短答試験よりも高まりますが、
それでも私は、不要と思います。

確かに、最近は趣旨を問う問題が増えており、
特許庁のホームページでもPDFがダウンロードできるようになり、
青本の重要性が増しているのは確かです。

しかし、論文試験においては、
青本のエッセンスを効率よく文章化することが求められており、
それをするには、受験機関のレジュメを丸暗記するのが、
一番早いかと思います


もちろん、青本を一読したうえで、
自分なりに、必要事項を論文試験用にまとめるというのは、
理想的ですが、中々時間がかかります。


最後に、口述試験。
実は、私は、口述試験に落ちるまで、青本を持ってもいませんでした。

しかし、口述試験の敗因や合格者の声を聞き、総合的に分析する中で、
青本を読まなかったことが自分の落ちた原因の一つだと確信しました。

つまり、口述試験は、
青本の全体像とでもいうものを理解しているのか否かが
試される試験なのです

単にキーワードを並べるのではなくて、
その前後の文脈を再現できるかが、求められます。

といいますのも、口述試験では、面接官がある程度、自由に受験生へ質問でき、突っ込まれた際に受験生に求められる解答が、
「キーワードがどのような経緯で青本に登場するか」を説明することだからです。

実際、青本を読んでいなかった私は、本番の試験で、
レジュメのキーワードを並べることは、容易に出来ましたが、
しかし、一歩踏み込んだ質問をされると、ポカ~ンとしてしまい、
そんなやりとりの繰り返しでした。
面接官に「こいつは、青本の理解が甘いな」と思われたのでしょう。


要約すると、
論文試験が終わったあたりから、口述試験対策がてら、
落ち着いて、青本を一回は、一読するのが良いと思います


一度読むと、全体像が体系的に理解でき、
どこが重要か否かが見えてきます