私が、短答試験の勉強を開始したのは、大学3年生の夏でした。
ちょうど、今くらいの時期です。
学生の身であるから、時間はあるけどお金が無い。
そんな状況でしたので、独学で勉強を開始しました。
具体的には、INPUTは非効率でもお金のかからない独学を選び、OUTPUTに関しては受験機関の答練や模試を使用しました。
学生の勉強のスタイルとしては、悪くない戦略だと思います。
当時は、3000時間の勉強をして合格する試験と言われていたので、それを一つの目安にしました。
色々と工夫をして、モチベーションの持続に必死でした。
結論として、独学は、時間がかかるけどお金はかからない。
よって、時間に余裕のある学生などに向いています。
ただし、モチベーションを持続させる難しさがあります。
逆に、社会人の場合は仕事が忙しいですので、お金を払ってでも効率重視の勉強スタイルが望ましく、受験機関を可能な限り利用すべきと思います(特に、初学者)。
受験機関
私が弁理士を志したのは大学在学中でした。理系の学部生だった私は、学部卒業後に大学院へ進学すことに疑問を持ってました。理系ならとりあえず院に行くという風潮に流される自分が嫌でした。かと言って、不景気の時代に企業への就職は簡単ではなく、仮に就職できても将来が安泰とは言えません。そこで、将来について考えていたところ、弁理士という資格に出会いました。理系向けであり、かつかなり社会的に価値のある資格ということで、これに賭けてみることにしました。
もちろん理系の私は、法律系科目を本格的に勉強したことはありませんでした。大学構内の本屋で弁理士試験過去問をぱらぱらめくり途方にくれましたが、とにかく最初の一歩を踏み出さねば、勉強計画も立てられない。結局、、すべて独学で勉強を始めるのはリスクが大きいと判断しました。そこで、受験機関を使って効率よく弁理士試験の対策を練ろうと考え、受験機関を調査しました。
挙がってきた受験機関は LEC東京リーガルマインド
私はLECでコースを申し込み1年間通学しました。基礎的な講座であればどちらでも大差ないと思いますが、将来的なことを考えると、LECの方が授業のバリエーションが豊富で良いかなと感じました。結局、1年間の基礎講座では最終合格が出来ず、そのあとは、適宜自分に必要な講座をLECとTACから選びながら受験勉強を続けました。
今振り返って言えることは、全ての勉強を独学でするのはとても大変です。かと言って、全てを受験機関にゆだねるのも、経済的な問題や時間に拘束されるという問題があります。そこで、基本的な講座と代表的な答練は受験機関で受けて、残りは独学というスタイルが良いかと私は思います。
というのも、理系の人間にとっては法律の学び方から学ぶ必要があり、これを独学でやろうと思ったら時間がかかって仕方がないですから、基本的な講座は受けるべきです。併せて、試験は他の受験生との競争であり、ライバルを知るという点で、代表的な答練(模試など)も受けるべきです。
以上長くなりましたが、結論としては、初めの一歩で躊躇している方はとりあえず、受験機関にコンタクトを取ってみると事が前に進むだろう、ということです。
これに関しては、私は、LECの論文公開模試
そして、できれば、直前答練
というのも、論文試験というのは、相対評価です!
このことの認識は、とても大事です。
つまり、みんなが解けない問題は、解けなくても差がつきません。
逆に、みんなが解けている問題で自分だけ不正解だと、合格が遠のきます。
すると、合格する人というのは、普通の問題を漏らさず正解して、
不正解の個所は、他の人も落としているから合否に影響していない、
という人たちです。
受験機関の模試は、多くの人が受験しますが、
特にLECは圧倒的多数の受験生が受けていますので、
この模試で出題された問題(特に判例など)がそのまま本試験で出た場合、
LECの模試を受験していたか否かで合否に影響が生じる可能性は、高いです。
実際、私が論文試験で合格した年も、
特許法でBBS事件とキャノンインクカートリッジ事件が出題され、
いずれも、直前のLECの模試で出ていたので、
LECの模試を受けて、しっかり自分の身になっていた人とそうでない人とで、
そのまま合否の結果に表れていました。
従いまして、私は、みんなが正解する問題をしっかり正解するために、LECの公開模試、そしてできれば直前答練も受講をお勧めします。
これらに加えて、他の受験機関あるいはLECの別の講座を受講しても、おそらく重複する個所が多々あり、コストパフォーマンスは決して高くないと、私は個人的に考えます。
![]() 2012年向け論文公開模試【一括】 |
![]() 2012年向け論文直前答練【一括】 |
本日のテーマは、タイトル通りです。
シリーズで書きたいと思いますが、まずは第1弾の短答試験です。
これについての私の結論は、「どこでも良し」です。
というのも、短答試験は受験機関に頼るウェイトの低い試験と思うからです。
短答試験の場合は、ひたすら過去問を解き、解けなかった個所を繰り返す。
10年分ほどの過去問が、解答に至るまでの道筋も含めて完璧に分かれば、まず受かると思います。
実際、私はそのような勉強をして短答試験は一発合格を果たしました。
どこの受験機関も答練などの講座はありますが、
結局のところ、過去問と同じかそれを多少ひねった程度の問題を、
審査基準や基本レジュメを引用して解説するという内容です。
私が唯一、受講したのは、直前の模試です(LECと早稲田セミナー)。
これには2つの意義があります。
①3時間半を、周囲に受験生がいる環境で味わうことです。
特に、どういう場面で自分は心の冷静さを保てなくなるのか?
(例えば、時間配分が予定通り進んでいないとか・・・)
これを出来るだけ多く分析し、事前に対策を練ることによって、本試験でのパフォーマンスを少しでも高めることができます。
これが模試を受ける最大の意義だと思います。
②他にも、模試の得点分布を分析することによって、自分の弱点が分かります。
すると、それに基づいて、本試験までの数日間の分野毎の勉強量の配分を決めることができ、勉強の効率化を図ることができます。
これも、大きな意義でしょう。
逆に言うと、模試で出題される問題の内容自体は、過去問と同じか多少のひねりを加えたものに過ぎず、「どこどこの受験機関の模試を受けたほうが良い」ということはありません。
実際に、本試験でも、
多くの問題は今までどこかで目にしたことのある問題のはずです。
以上をまとめると、
短答試験対策の受験機関選びに関しては、あまり神経質になる必要は無いと思います。
受験機関で出題される問題(答練や模試)に大差は、ありません。
通学しやすい場所にあるとか、授業料が安いとか、都合のよい理由で受験機関を決めれば良いと思います。
大切なことは、
過去問を徹底的にやること、
模試をいくつか受けて本番のシミュレーションをすること、
この2点です。
それでは、明日からゴールデンウィークですので、
短答受験生の方はラストスパートに向けて頑張ってください!
そこで、今日のポイントは、論文試験の過去問選びです。
過去問は何回解いても、解き過ぎることはありません。
問題の傾向、判例、時間配分、本試験のクセなどなど、学ぶ点はいくらでもあるからです。
すると、重要になってくるのが答案。
受験機関などの答案は明らかに書き過ぎであり、学習には良いですが、実戦向きではなく、この時期にはイマヒトツです。
そこで、私のお薦めは、
法学書院の1年毎に出版されているタイプの過去問です。
答案量が少なく、でもポイントをしっかり押さえていて、まさに実戦向きです。
残念ながら、平成21年度版が見当たらなかったのですが、それでも、平成20年度版までのは参考になると思いますので、是非チェックしてみて下さい。